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『告白』 なぜ人を殺してはいけないのか?
仕事もプライベートも忙しくて、劇場にもなかなか足を運べないのです。

そんな中でも、自身が信頼をおく映画ブロガーの皆さんから絶賛の嵐を得ている本作。そもそも原作本が未読のまま積んである状態にもかかわらず「映画を先に観た方がいい」とまで言われたからには、観ないわけには参りません。事前情報も全カットしてしまったので、他の皆さんのブログがいつまでも読めないのも辛いですし。

告白

2010年の日本映画。湊かなえ原作の同名小説を中島哲也監督にて映画化した作品。

正直言って、滅茶苦茶面白い。個人的に本年度No.1…と言いたいところですが、『第9地区』がありましたね。でも、邦画という括りの中では間違いなく歴代5位以内に並ぶと感じています。何より、「命」という普遍性のあるテーマを扱っている点に関しては、友達や親など世代を問わず他人に薦めやすいのが好いところです。

『第9地区』はとてもじゃないけど、他人には勧められないもんね。

今回はネタバレしない程度に書くつもりですが、とりあえずあらすじ。中学校の終業式の日、担任の森口悠子は生徒たちに、間もなく自分が教師を辞めることも含めた独白をはじめる。数か月前、学校のプールで彼女の一人娘が死んだ。娘は事故死と判断されたが、本当はこのクラスの生徒2人に殺されたのだと。

そして、この事件に関わる人物による独白を通じて、語られていく戦慄の復讐劇。

もうこれ以上詳しいことは書けないのですが、1秒後にどんな展開が待ち受けているのか全く想像つかせることなく、ハイテンポで展開される脚本の構成が素晴らしい。さらに、場面を盛り上げるレディオヘッドの曲やクラシック音楽。ちょっと過剰ともいえるスタイリッシュな映像演出。松たか子無双。全てが高水準なのです。

やはり、おそるべきは松たか子の演技力。もう、それを観るためだけに金払う価値がありました。

松たか子演じる森口先生は、本作だけで日本を代表するシリアルキラーに出世したと言っても過言ではありません。直接殺してないから殺人鬼ではないんだけれど。じわじわと精神的に追い詰めて“死ぬより酷い目に遭わせる”というやり口は世界でも他に類を見ません。ジグソウやレクターよか全然怖い。

しかも、彼女には“復讐”という大義名分はあれど、善者として描かれていないのが特徴です。

また、彼女に狙われた少年2人も、単純に悪者とは言い難い境遇を抱えています。善悪の二元論で片づけることができないというよりかは、善悪を語ること自体がナンセンス。何故なら、彼らの“想い”の前には、人間の命なんてものすごーく軽いものになってしまうのだから。命の重さを語ることすらも意味を為さないのです。

「どうして人を殺してはいけないのか?」というよくある問いに対して。
“明確な回答が存在しない”という事実を辛辣なまでに突きつけてくる作品なのです。

“なぜ人を殺してはいけないのか?”ロジックで答えようとすれば、必ず瑕疵を生じる問いです。倫理、宗教、法律、感情論など、様々な回答例はあれど、全てに穴があります。「そりゃ、お前地獄に落ちるからに決まってんだろ?」と言って通じる欧米諸国と違って、宗教観念が希薄な日本人は論理で取り繕おうとしてしまう。

結果として、日本人は大人も含めて“人を殺してはいけない理由”を誰も説明できなくなってしまった。

「警察に捕まるから→警察に捕まらなければいい」、「刑罰を受けるから→少年法で守られてるから」、「誰でも殺されるのは厭だから→俺は殺されても構わないから殺す」、「常識だから→知るか」と、屁理屈でどうにでもなる論理に説得力はありません。たとえ相手が子供だったとしても。むしろ、子供であれば尚更。

さらに、私利私欲や自己実現のために他人を殺し、奪うことが肯定されるような世の中ですらあります。

テレビを見れば、大国が掲げる“正義のための戦争”に加担し、他国民を殺す行為を手伝う国。歴史の教科書を開けば、自らの理想実現のために“大量に人を殺した人物”が英雄視され。ゲームをやれば、殺せば殺すほど点数が上がり。そして、親も先生も誰も“人を殺してはいけない理由”を教えてくれない。

この現状が問題なのではない。この現状を認識しないことこそが問題なのだ。

ということが、本作のどストレートに理解しやすいテーマなんだと個人的には思ったんですけど。劇場を出るときに、何人かの中学生女子が話してた内容は「チョーグロイ!チョーグロかったー!」ということだったので、まぁ別に“超グロいエンタメ映画”という観方でも別にいーんじゃねと思いました。

そんな理由でもいいから、ぜひとも中高生に観て欲しい映画ですね。

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